nengo memo

2008年12月(12)

泉幸輔建築研究所 泰山館

 私は週に2回は自宅の廻りをジョギングしている。好きなコースに高級住宅街の八雲を通るコースがある。八雲はタモリさんも住んでいて、まあまあの住宅街だが、田園調布と同じく年々ガタガタな街になっている。本当に日本の街並みが心配でならない。その八雲までの道のりに、泰山館というアパートがある。このアパートは風景をつくれる数少ない建築家泉さんの設計で、こんなアパートが日本でも増えたら良いのにと日々考えながら見ている。2009年は必ず私自身の力でもこんな意味のあるアパートをつくろうと思う。いよいよ2008年も残すところあと6時間。みなさんの2009年の目標は考えたかな?良いお年を!

 

さまよえる日本の住宅 ⑦沓脱ぎ石

 沓脱ぎ石とは家にあがるときに靴を脱ぐために置かれた石のこと。沓は「けがれ」を意味し、外で吸い取ったけがれを神聖な室内に持ち込まないようにするために沓脱ぎ石がある。日本の建築にはそんな伝統・文化が今でも残っていたりする。伝統・文化を無くすことは簡単だが、生み出すことは容易ではない。クリスマスシーズンが終わり、正月が近づくとそんなことをさらに気にしてしまうようだ。

トヨタ自動車、ホンダ、日産自動車、スズキ、マツダ、三菱自動車、いすゞ自動車、日野自動車の減産

 日本では若者のブランド離れも顕著になり、同時に高級車を買おうとする意欲も無くなってきている。無理して高級車を購入して、ローンを組むよりも、軽自動車に乗っているほうが良いという考えが支持されているのかもしれない。バブルの頃、若者だったオヤジ連中の方が頑張っちゃっている。そんなことも小さい理由の一つになっているかもしれないが、自動車の世界的な販売不振のため、各社減産、人員削減を進めている。アメリカのビッグ3だけでなく、日本のすべての主要メーカーで減産に動いている。トヨタでさえ何もしなかったら、この先怪しいと言っていたら、多くの人に馬鹿にされてしまった。「トヨタが潰れるわけないだろ!」と。トヨタだけでなく、自動車メーカーは大きな会社だからこそ大変なのだ。ただ、日本のメーカー各社はナカナカのスピード感で経営の舵取りを行っているようなので、アメリカのビッグ3のようにはならないで済むかもしれない。日本の物づくりは健闘している。家つくり、街つくりも負けてはいられないし、十分に可能性をもっているはずだ。

東京タワー50周年で考えたこと

 昨日東京タワーが50周年を迎えた。本日は朝焼けにライトアップされた東京タワーは幻想的で美しかった。いつもは夜中の12時に消灯するはずなのに。高層ビルなどの夜景は好きではなく、自然、山などの景色が家から見えたほうが良いと日々言っている私だが、東京タワーは別格のようだ。東京タワーが出来た頃、大卒の初任給は13000円だったそうだ。現在ではその約15倍にもなっている。ただ、私が大学を卒業した16年前と比べると現在はほとんど変化がない。完全に日本は成熟期になっているのがこれでわかる。そんな日本がこれから取り組むべきことは、海外からお金と人を流入させることだ。そのためにすべきことをnengoを通じてやっていこうと思う。

岩手県盛岡市の古民家

DSC01338-内観④[1].JPG

DSC01345-屋根[1].JPG DSC01347-外観[1].JPG DSC01349-軒裏[1].JPG

DSC01344-外壁[1].JPG

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 岩手県の盛岡から連絡をいただいた。古民家の建物を売却したいとのこと。解体や更地にする費用は別途として、300万円が販売希望価格。安い!私が家を建てるタイミングなら是非欲しい。どなたか移築して古民家に住んでみてはいかがかな?白洲次郎・正子夫妻に憧れている方、ご一考あれ。

さまよえる日本の住宅 ⑥家の色

 まじりっけのない白色や人工的なカラーの家を建てようとする建築家やそれに住もうとしている人の気がしれない。コンクリートジャングルに存在するなら話は別だが、基本的に家は空と土と植物という自然(色)に囲まれている。ということは、自然界にないカラーが外壁に使われているととても目につき、嫌味に映るし、目が痛いことになる。外壁はそのうち汚れるのでまだ幾分救われるかもしれないが、これはインテリアにも当てはまる。自然な色ではない、目に優しくない色が壁に塗装された家で、ゆっくり休むことが出来る訳がない。家というのは心と体を休めるためにあるはずで、その目的を果たす気がないと私には感じられる。こんな家を建ててきた建築家、インテリアデザイナーは反省する必要がある。

旧白洲邸 武相荘

 半年前まで私が住んでいた近所・鶴川に武相荘がある。白洲次郎と白洲正子のカップルが住んでいた家だ。いつも一人で散歩し、お香を購入する場所でもある。今回ははじめて友人を伴いお邪魔してみた。大物カップルの家だからとはいえ、1000円の入場料を要求する住宅というのはナカナカなく、まずそこで驚かされる。昨日の日経新聞の春秋で記事になっていた朝倉邸の100円と比べるとその差は大きい。当時の鶴川は相当田舎だったに違いない。それなのに、都心へのアクセスが多いはずの二人の住まいが成立していたことに驚かされる。茅葺屋根は最近葺きなおしてあり美しく感じる。茅葺はイイ。消防法によって茅葺が消え去ることはなんとしても避けなければいけない。白洲次郎は30年掛けて家をつくりあげたようだが、家とは本来そうあるべきと感じる。現代では、家が出来たとき最高(価値)であるのとは大違いであり、学ばないといけない点である。家つくりに関わる仕事をしている人、これから家をつくろうとしている人は、是非足を運んでもらいたい。これから結婚するカップルも訪れても良いかもしれない。これからの結婚生活を考えるための良い機会になるだろう。ただ、白洲次郎と正子、二人の大物さを目の当たりにすると、おたがいの相手に物足りなさを感じてしまうかもしれないが、そこは責任取れないので悪しからず。

立教大学 山口義行教授

立教う.jpg 立教.jpg

 昨日、TDBフュージョンのHさんのご招待で、立教大学山口義行教授主催の経営者シンポジウムに行って参りました。山口さんの基調講演はどこかで聞いた話ばかりでしたし、資料も日経新聞だったりしたので、ちょっと物足りなかったのですが、第二部のパネルディスカッションはナカナカ興味深いお話を聞くことができました。会社経営のヒントとなるようなことがいくつかありましたね。それと、話は変わりますが、立教大学のことです。はじめて校内に入ったのですが、随分と美しい学校だという感想です。夜にお伺いしたということもありますが、建物の高さが統一されていたり、ラインを揃えようという努力が実った校舎郡です。こんな学校で学んだ学生は自分の住む街をも厳しい目で見ることができるのではないでしょうか。

田園調布がモッタイない

 田園調布で約200坪の敷地にお住まいの建築家とお話をする機会がありました。田園調布から離れる人が増えているという話でした。景気が悪いことや相続税を払えないからだけでなく、街並みが年々壊れているからというのも理由の一つなのではないでしょうか。200坪あった土地を売ってしまうと、細切れにされて、再販売されてしまいます。そうなると、建物の配置からしてもガタガタになります。ただでさえ大きな家でセンスがない建物が増えているのに、サイズまでバラバラになってしまっては収拾がつきませんよね。大正時代からある品のある大きなお宅はもう5,6軒しか残っていないようです。東京で3本の指に入る街がこんなことで良いのでしょうか??

人間はやはり動物ってこと??

CIMG0043.JPG CIMG0058.JPG CIMG0060.JPG

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 先日、タイム&スタイルのミッドタウン店で打ち合わせをしていたときのことです。他の2人が中心に打ち合わせをしていたので、私はお客さまの動きを見ていました。するとある無垢の一枚板のテーブルを、通る人がみんな触っていくのです。他のツキ板のテーブルには全く触れないのに、無垢だけ撫でていくのです。やはり人間も動物であって、自然のものに魅かれるのでしょうか?確かに我が家も子供が遊びに来ると無垢のフローリングに寝転がり、壁のポーターズペイントに足の裏をこすりつけるのです。大変興味深いです。これからの家つくりのヒントにもなりますよね。

さまよえる日本の住宅 ⑤マンション

 最近感じるのは、マンションデベロッパーが建てているマンションは、ブランド名が必ず付いてます。ライオンズマンション、アデニウム、パークハウス、クレッセントなどなど。なぜなのでしょうか?私ならすべての建物に違う名前を付けますけどね。なぜなら、自分の子供全員に同じ名前をつけたいと思わないと同じです。それぞれに思いがあるのですから、それぞれの名前をつけてしかるべきと思うのです。おかしいですか??実はマンションという呼び名も好きではないし抵抗があるのですが、世の中に流されて使っている私です。そんなマンション業界と言いますか、マンションデベロッパーは大変なことになっています。マンションは売れませんし、資金の借り換えはできず、貸し剥がしをうけている状況です。ある不動産会社の社長がおっしゃっていましたが、デベは倒産するものだと。当然といえば、当然のことです。ただ、本当に世のため人のために、愛着をもってマンション開発をしていたら、こんなことにはなっていなかったのではないでしょうか?儲け主義に走ったばっかりに周りが見えず、景気が良いときに自己中心的な開発を急激に伸ばしたばっかりに、景気が悪くなるとついていけなくなるのです。企業は、儲け主義に走るのが当たり前と言う人が多いですが、住宅業界においてはそうであってはいけないと思うのですよね。

さまよえる日本の住宅 ④中古住宅市場

 日本の住宅ストックは現在、5400万戸です。そのうち、中古住宅市場で取引されるのは年間18万戸です。一方アメリカはというと、14000万戸のストックのうち、年間700万戸が流通しています。アメリカと比べて、中古住宅の流通がないことが明白であり、中古住宅に価値を見出していないことが容易に想像がつきます。しかも、日本には世帯数が4700万世帯しかないので、住宅は700万戸も余っているはずです。(勿論、1世帯で複数の家を持っている人もいるでしょうけれど)こんな状態であるにも関わらず、中古市場が活発化されないのは、日本人にとってだけでなく、国としてマイナスになっていることを政治家や官僚は自覚するべきでしょう。そして、当然民間企業はそこにビジネスチャンスを見出すべきでしょうね。